RDNA2とRDNA3の差異を元にPS5proの噂を考える

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PS5のGPUはRDNA2世代。噂のPS5proのWGPはPS5の1.67倍の30WGPなのに、TFlopsはPS5の3倍である33.5TFlopsとなっています。一方でレンダリング速度は大体1.45倍としています。この差はなんで生まれるのか?

まずWGPが増えたから1.45倍、というわけではないはず。GDDRのクロックも上がり、WGPも1.67倍なのでレンダリング速度はもっと上がる。なので1.45倍と言っているのはWGPあたりのレンダリング速度と考えられます。

RDNA3はRDNA2より演算性能は2倍に上がってる(後述)のですが、ワークレジスタは増えてない。このため、ディファードレンダリングの様なワークレジスタを使うレンダリングだとワークレジスタが上限値となります。なのでWGPのスケジューラーを見直して17%効率上がる、GDDRのクロックが27%上がる、これで結局1.5倍程度になるんでは?という事だと私は考えます。

実はRDNA2とRDNA3の演算構成はユニットが倍増しているのではなく、単純にVOPD命令と呼ばれる基本的な演算のみ2命令同時発行が可能になっており、この場合、同時発行するのでレジスタも倍増してないとスムーズに発行できない。それにVOPD命令は加減乗除の単純な演算しかサポートしていないようです。(RDNA3アーキテクチャのCUの考察を参考にしました)

ここから考えると単純な命令のみであればFlopsはRNDA3は倍増しているんですが、実際のレンダリングにおいてはさほど増えない。ディファードレンダリングが最低限のレベルになっているのでレジスタ数が律速になるはずです。

実際RDNA2とRDNA3の直接比較はあんま見たことがないですがつなぎ合わせると大体クロック比でしか早くなっていないようです。もちろん消費電力が下がるのでその分余計にWGPを積み込めるので結果的に早くはなりますが、それはWGPが増えただけ。

という事で1.45倍云々は気にしないでよろしい。単純にWGP換算で考えれば良いと考えます。

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